白井市長、市民病院建て直しを決断

敷地内での建て替えが動きだす市民病院(東高泊で) 白井博文市長は4日、老朽化して手狭になっている山陽小野田市民病院(東高泊)を敷地内に新しく建て直す考えを明らかにした。年間約18万人が利用する同病院のニーズを考え、地域医療を安定的に確保する観点から判断した。2014年度末の完成を目指す。

現市民病院は最も古い外来棟、東病棟が50年近く前に建設されるなど老朽化が目立つ。このまま放置しておくと、やはり古くなり安全面などからも閉鎖に至った旧山陽市民病院と同じ運命をたどり、地域医療の崩壊を招く危険性もあることから、白井市長から諮問を受けた市新病院建設構想検討委員会(砂川功委員長、17人)が、2007年から新病院建設の是非を協議してきた。
昨年8月に「現在地に公設公営で建設、運営することが望ましい」と最終答申。山口労災病院が今後も急性期病院の機能を果たすためにも、市民病院が亜急性期や慢性期の患者を診療し、地域医療全体を守るという役割分担の背景もある。現在地としたのは財源の問題や患者の2割が宇部市厚南地区からという地域性を考慮した。
新病院像は現在と同規模の14診療科目、215床を予定。総事業費は約58億円を見込み、このうち建物建設費は37億円で、残りは医療機器購入費、周辺整備費、現病院の解体費など。建設単価は国立病院の基準を下回る1平方㍍当たり23万円に抑えている。資金計画は合併特例債から13億円、病院事業債から45億円を充てる試算をしている。
答申に対して白井市長は「検討委の気持ちを受け取り、財政の課題を見極め、最大限の努力をしたい」とし、自らの政治姿勢である住民対話を遂行するため、昨年10~12月に市内12小学校区で市政説明会を開催し、建設の必要性について語る河合伸也病院局長の説明に対する市民の意見に耳を傾けていた。
市議会では地域医療の安定的確保のために建設を推進しようと10月に議員16人が党派を超えて新病院建設推進議員連盟を結成。12月定例市議会では、必要性は認めるものの膨大な事業費を要することから、将来的な収支の見込みを検証するように求める質問が相次いだ。
こうした中、白井市長は最終的に「地域医療の充実を図ることは多くの市民が望むところ」と、建設にゴーサインを出した。
課題は財源問題。病院事業債の起債条件は資金不足比率10%未満となっている。市は退職手当債や公立病院特例債が負担となり、23・8%と高い水準にある現在の資金不足率を起債条件まで圧縮するため、一般財源から約5億円を繰り入れる考え。さらに事業費58億円を30年で償還するとして、一般会計から毎年約7500万円を充てるシミュレーションを描いている。
市民病院の現在の正規職員数は医師21人、看護師118人、医療技術者39人、事務職員11人。2009年度は外来患者数が10万9751人、入院患者数(215床)が6万8598人の合計17万8349人が利用し、市民のニーズは高い。このうちの2割の3万4957人は、宇部市厚南を中心とした市外からの利用。
医業収益は37億7400万円、支出は37億1600万円と、収支がほぼ釣り合っている。

カテゴリー:行政2011年1月4日

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