JAXAが一部機能を宇部に移転

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げている人工衛星の観測データを地上で受信、解析、バックアップする「JAXA西日本衛星リモートセンシング防災利用研究センター(仮称)」が2016年度中に宇部市に整備される。データ活用に伴う防災力の向上のほか、地元にとっては関連産業の集積、雇用創出といった経済効果も期待される。

国が地方創生総合戦略で打ち出した政府関係機関の地方移転に関する基本方針に基づいた事業で、政府が22日に正式発表する見通し。

JAXAは、地域観測、洪水や浸水などの災害状況把握、地震による地殻変動、資源探査などを把握する陸域観測技術衛星「だいち2号」を14年に打ち上げ、そのデータをこれまで筑波宇宙センター(茨城県)など関東エリアの3カ所で受信していた。

機能の一部移転は、関東から離れた地震の少ない地方に受信施設を整備しリスク分散するのが狙い。県は昨夏、移転を政府要望していた。

関係筋によると新年度の早いうちに、県と山口大、JAXAの3者間で協定を締結し、連携拠点となるセンターを開設。センターには、衛星データの受信、解析に必要なサーバーなどの機器類を整備しパラボラアンテナの移設を行う。JAXA保有の超高速インターネット衛星「きずな」の地球局も移転する。開設場所は県産業技術センター(あすとぴあ4丁目)か山口大工学部(常盤台)が検討されている。

県は、衛星画像データを実際に発生した災害対応に利用するために、16年度中に県防災会議の下部組織として関係機関による協議会を立ち上げる。

センター移転後は当面、災害時に連携して防災対策の強化を図ったり、衛星データの研究面での活用を推進したりする。将来的には国の危機管理の在り方や、リモートセンシング(遠隔測定)の防災以外の環境、農業分野などでの利活用、地域の産業集積、県への人の流れ創出などにつなげる。人材育成や国際連携の拠点としても生かす。

JAXA関連施設のほか今回、防衛装備庁艦艇装備研究所の一部機能が岩国市、水産総合研究センターの一部機能が下関市に移転する見通しとなった。

自民党の地方創生実行統合本部長を昨年11月まで務めていた河村建夫衆院議員は「JAXAの一部機関移転が実現したことで『未来の富』である宇宙を日本の富となるように山口県がけん引するのを期待する。宇部市ではリモートセンシング産業集積と人材育成が実現できる」とコメントした。

大学の立場から機能移転を働き掛けてきた三浦房紀山口大副学長は「国内の研究機関と連携し、西日本の防災拠点となることを期待する。将来的には機能を充実させ、人員増も図り、アジアや中南米からも研修者を受け入れ国際的なセンターになるのを願う」と話した。

カテゴリー:行政2016年3月18日

写真注文はこちら
宇部日報社刊・書籍販売始めました
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
single