2012年5月10日

10年前に放流のフグ水揚げ

巨大トラフグを調べる研究員(県水産研究センターで) 山陽小野田市沖で7日、全長66㌢、体重6・1㌔もある巨大な雌のトラフグが水揚げされた。山口市の県水産研究センターに運ばれ、背中の標識から10年ほど前に同センターが放流したうちの1匹と特定された。トラフグを20年間研究している天野千絵・専門研究員は「放流では最大級。よく生き残ってくれた」と感激している。

 このトラフグは山陽小野田市の500㍍沖合で県漁協厚狭支店の小型定置網に掛かった。一般に漁獲される中でも極めて大型で漁業関係者を驚かせた。連絡を受けた同センターが購入した。
 食べられるのは身と皮の3㌔程度で、刺し身にすると30人分以上。産卵期のため腹に約300万粒の卵が入っているとみられる。
 同センター内海研究部は、資源回復調査のために2001年から全長約7㌢のトラフグの背中に焼き印で標識を付けて計58万匹を放流している。生まれ育った海域に産卵回帰する性質を持ち、03年に同市埴生沖で放流した9万6000匹の1匹の可能性もある。同センターでは、背骨の年輪を調べて放流年度の特定を進める。
 雌は3歳で成熟して産卵できるが、市場で高値で取引されるため漁が盛んで、10年前後とされる寿命を海で全うすることは少ないという。餌を求めて外海に出るため、同センターが放流した個体は、国内では秋田県から熊本県まで、海外では韓国でも漁獲されている。
 このトラフグについて、天野専門研究員は「年齢から考えて、これまでに県内海域で1000万個以上を産卵したとみられる。資源の再生産に寄与した実証例と言える」と話した。

新着ニュース