市民環境フォーラム、地球温暖化対策へ厳しい指摘

異常気象について議論するパネリスト(山口東京理科大で) 第五回市民環境フォーラムは十月三十日、山口東京理科大で約二百人が出席して開かれた。昨今の世界的な異常気象は、周期的な気候の自然変動だけでなく、地球温暖化も要因になっていると紹介され、温暖化対策への日本の実情は「『ゆでガエル』の状態。熱くないと思って対策を講じないと、取り返しがつかなくなる」(加納誠山口東京理科大教授)などと厳しい指摘が相次いだ。山陽小野田市主催、山口東京理科大共催。

 環境問題について、毎年さまざまな角度から考察しているフォーラム。白井博文市長のあいさつに続き、篠原嘉一物質材料研究機構リーダーが「エコの上滑り社会を変えるのは市民の力」、加納教授が「安心安全生きがいの暮らしは地方から」、山本良一東京大名誉教授が「低炭素革命かジオエンジニアリングか―環境奇兵隊はこう動く」の演題で講演した。
 七月十五日に厚狭地区を襲った豪雨災害を取り上げたパネルディスカッション「異常気象を考える―厚狭地区水害を振り返って」では、白井市長がコーディネーターを務め、パネリストの山本名誉教授、篠原リーダー、加納教授、溝手朝子県立大教授、河村雅伸バイオマス研究会代表、山縣始副市長が、地球環境への思いや温暖化対策について実践していることなどを報告した。
 加納教授は「厚狭川はんらんを受けて県は、膨大な費用を掛けて河川改修するが、残念ながら工事完了に五年はかかる。それまでにも異常気象は起こり得るわけで、対策には自主防災組織整備といったソフト面でカバーする必要がある」とした。また、環境に関するあらゆる情報がはんらんしているが「自分が求める正しい情報を選択できる環境科学リテラシーを身に付け、学者、政治家、新聞報道の中から、正しい考えを取捨選択しなくてはならない」とアドバイスした。
 異常気象によって引き起こされる災害から身を守るために、山本名誉教授も「シェルターなどを整備する物理的対策とソフト面の対策が大切。アメリカではハリケーンが襲ってきたら二日で住民が避難し、泥棒被害に遭わないように軍隊が町を守るシステムが出来上がっている。日本は逃げ方の研究が遅れている。災害からの撤退は社会的コストを下げる効果もある」と指摘した。
 篠原リーダーは「バイオマスの活用が言われているが、残念ながら主にエタノールなどを作っている日本国内での取り組みは、ほぼ失敗に終わっている。成功には、広大な土地と炭素含有量の多い植物が必要条件。ただ、日本にたくさんある稲わら、麦わらの活用については、開発が試みられようとしている」と話した。
 会場からも「家庭菜園をやっているが、この夏は異常な暑さで、夕方四時になっても作業に出られないほど。環境問題の解決には企業や国同士のエゴがある。エゴを出さないように、政治の現場にアピールしていかなくては」という声が上がった。
 また、山口東京理科大の学生は「特に意識して環境問題に接することはないが、電気料金や水道料金を通して省エネの必要性などを感じる。アパートでエネルギーを消費しないように、なるべく大学にいるようにしている」と生活の一端を紹介した。

カテゴリー:環境2010年11月1日

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